2009/10/12

【読書】森絵都「カラフル」

 【あらすじ】(amazon.co.jp ブックレビューより抜粋)
死んだはずの「ぼく」の魂にむかって天使が言った。「おめでとうございます、抽選にあたりました!」。そうして、ぼくは輪廻のサイクルに戻るために、下界にいるだれかの体を借りて(天使業界では「ホームステイ」というのだそうだ)前世で犯した悪事を思い出さなくてはならなくなった。
乗り移ったのは「小林真」という自殺したばかりの14歳の少年。ところが、真は絵を描くのが得意な以外は、親友と呼べる友だちもいない、冴えないヤツだった。父親は自分だけよければいい偽善者で、母親はフラメンコの先生と浮気中。しかも、好きな女の子は、中年オヤジと援助交際中ときた。しかし、ホームステイの気楽さも手伝って、よくよく周りを見回してみると、世界はそんなに単純じゃないってことが次第にわかってくる。

 【感想】
 世界中のすべての悲しみを一人で受け止めて、その重さに耐えきれず、押しつぶされそうになって、死の淵に追いやられている、全ての中3男子が読むべき本。
 30過ぎたオッサンの胸に、どこまで響くかは分かりませんが。

 240ページの小品とは言え、平均時速60ページの私でも2時間ちょっとで一気に読み終えてしまうような、軽快な文体。しかも、ケータイ小説のような空疎なものではなく、しっかりと日本語の文章として成立している。
 当時30歳手前の女性作家が、よくもこれだけ思春期男子の心を捉えているなー、と感心する一方で、多分、男が書くとここまで、ポップでさわやかな感じにするのは難しいんだろーなー、とも思います。

 まあ、ネットとかでは、オチが書かれているので、終盤の種明かしの部分は若干、まだるっこしいとは思いましたし、オチを知らずに読んだときに、ミステリ的な要素をどの程度、楽しめるのかは分かりませんが、いずれにせよ、作品全体の質に影響はないと思います。
 「クレしん」映画版の監督の手で、アニメ化が予定されているとか。この色彩感覚に挑戦するのは、結構、大変だと思いますが。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2007/08/18

森見登美彦「太陽の塔」

 水害の年、2004年夏、ウチの近所に大量のムクドリ(wikipedia)が発生したのである。

 3ケタ国道の両脇に伸びた歩道、その頭上を走る電線に、ヒッチコックの「鳥」よろしく・・・って、見たことないが、養鶏場のブロイラー顔負け(これも写真とかでしか見たことない)に整列した大量のムクドリ。そして、その下には大地を白く染める初雪のように、真っ白な糞尿。

 で、何か対策を取ったのか、05年、06年と市内の他の地域では見かけても、ウチの近所では見なかったが、あくまで追い払っているだけで絶対数は減っていない、と言うことで、グルグル回って今年は、またウチの近所で大発生。

 さて、問題は、ボタボタと音を立てて歩道に落ちてくる糞尿である。ついでに、ニオイもキツイ。
 いやー、大学のとき、ハト屋敷(Google)の前も結構、よく通りましたけど、アレよりヒドいですからね。

 と言うわけで、いつも徒歩で通っていた近所の書店には、このところ、まるで足を運ぶ気がなくなる・・・。

続きを読む "森見登美彦「太陽の塔」"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007/01/03

藤田新策

 「ダークタワー」の最終巻(amazon)を買おうと本屋に行ったら、新潮社の“日本人作家”コーナーでキング風の表紙な小説を発見。
 藤田新策さん(公式)って、宮部みゆきの表装も手がけてるんですね。

 じゃあ、「ファイアスターター」(amazon)と「クロスファイア」(amazon)をリイシューする際には、是非、両方を。別に「タリスマン」と「ブレイブストーリー」でもいーんですが。
 いや、私は原則として、現代日本人作家の小説を読まない人なので、実際、宮部みゆきがどうゆう作家なのかは、あらすじくらいしか知らないんですけども。
 ※で、あらすじだけで語るなら、キングなんて凡庸を通り越して、逆に天才的なダメ作家だしな(笑)。

 あ、毎月1日発売と言いながら前月末には店頭に並んでた「ガンスリンガー」ですが、今回も1月1日発売なものの、実質、運送会社が動き出した後の発売になる模様です。
 どうせ、まだ、全然、読み進めてないんで、急いで買う理由もないんですが(笑)。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006/12/04

旅の終わり

 スティーヴン・キングの「暗黒の塔」シリーズ、リイシューが始まって早1年
 いよいよ全15分冊の14冊がリリースされ、年末には最終巻も発売されることとなりました。

 と言うわけで、1年間放置してきた、第1巻からいよいよ通読開始(やっとかよっ!)。

 えー、ちなみに各巻の構成は、

続きを読む "旅の終わり"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2005/11/28

旅が始まる

 とゆうワケで、スティーヴン・キングの「暗黒の塔」シリーズ、第1巻「ガンスリンガー」(amazon)の 改訂版を買ってきました。
 つっても、キング作品は読むには、それなりに気合いが要るので(長ぇし密度が濃いんだよ)、 まだ前書きくらいしか読んでませんが。 しかも、その前書きは本屋で立ち読みした後、平積みの一番上に戻して、4冊くらい下のを取って買ってきたんで、 自分で買ったのは、まだ開いてもいないとゆう。

 で、現時点での、大まかな変更点ですが、まず、表紙がアメリカの新版(official)と同じ、 Steve Stoneのものに変更されてます。 Steve Stoneって人は、よく分からんのですが、 多分、このサイトの人で、 海外のファンタジーやSF系の表紙には、結構、起用されてるイラストレイターのようです。
 旧版の挿絵を提供し、旧・角川版にも2枚収録されていた、こっち系の大家、Michael Whelan(公式)の絵も、 角川版の2枚に加え、公式サイトの“Artwork”コーナーで見られる横長の見開き1枚、さらに2枚の計5枚を収録してます(ただ、なんか、コレは色調がオカシイ気がします。黄色が強すぎるのか、全体に暗めなのか)。

 前書きも、旧版のものから一新して、シリーズ全体についての前書きと、 今回の第1巻を改訂したことについての言い訳(笑)を所収。
 シリーズ全体の前書きについては、旧版では、しょっちゅう出てたハズの、 ブラウニングの「童子ローランド」への言及は一切なく、 トールキンの「指輪物語」と、セルジオ・レオーネの「夕陽のガンマン」からパク ・・・インスパイアされた、と言ってます。
 あとは、一気にシリーズを完成させるキッカケとなった、例の事故について。
 第1巻の改訂については、要するに、「暗黒の塔」シリーズは、自分が作家生活の大半を注ぎ込んでる作品で、 熱狂的なファンもいる一方で、 過去にキング作品を一作くらいは読んだことがある人でも、ほとんどが、その存在すら知らず、 キング・ファンを公言する人の中にも読んだことがない人が、それなりにいる、という事実を受け止め、 シリーズを完結させるに当たって、過去の読者のためではなく、 これから読者となる、より多くの人たちのために、いくつかの矛盾点を修復して、 もう少し読みやすいものにした、と。

 まあ、キングはエッセイストとしても、それなりに才能のある人ですので (中短編集「ヘッドダウン」(amazon)所収の表題作で、息子の野球チームを追ったヤツとかは最高です)、 「暗黒の塔」シリーズを一度も読んだことがない、という人は、 購入の前に、とりあえず、この前書きだけ読んでいただいたら、と思います。

 なお、今後の刊行予定は、06年4月まで掛けて1カ月に1巻ずつ、既刊の4巻分と5巻「カーラの狼」までをリリースして、第6巻「スザンナの歌」は06年夏、最終巻「暗黒の塔」は06年秋の予定だそうです ・・・秋?!
 もー、いー加減、原文で読もっかなー(だから、日本語で読んでても疲れると言うのに・・・)。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2005/11/16

ダーク・タワー正式発売決定

 今月末から新潮社より刊行が開始される、スティーヴン・キングの 「暗黒の塔」新装シリーズですが、 ついに、新潮社さんのサイトAmazonにも正式に載りました。まず11月末には、第1巻「ガンスリンガー」のみ発売、と。

 ・・・って、アレ、ここ数作、新潮社さんのキング作品は、 ハードカバーと文庫版の同時発売とか、ハードカバーはナシで文庫版オンリーとかの 発売が続いてたのですが、 今回も、イキナリ文庫のみでのリリースっぽいです。

 いやいや、出版社が角川からスイッチしたとは言え、 だから、今までハードカバーで揃えてきた我々の立場は、どうなる。 整合性、取れーっ。

 あ、全巻揃ったトコでハードカバーって、逆パターンとかですか?  あと、過去作の新装版は単行本のみで、 新発売の分のみハードカバーとか?
 ・・・って、どうにも、そんな話は、なさそうですよ。

 てゆーか、文庫で780円は、どー見ても高いワケで、どーせ、そんな金額を(あと数冊も)支払うのなら、 ちょっとくらい高くてもハードカバーで買いますよー。

 あと、まだ画像が発表されてないんで、装丁も過去シリーズとつながってるのか、一新するのか気になるところ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2005/11/02

キングの「暗黒の塔」

 現代のアメリカを代表する、最も売れてる小説家の一人、スティーヴン・キング、と言えば、 人によっては、「キャリー」や「シャイニング」、「ミザリー」と言ったホラー作家として、 あるいは一方で、「スタンド・バイ・ミー」や「ショーシャンクの空に」と言った、日本でファンの多い映画の原作者として、 認知されている方も多いと思われます。

 そのキングが、作家人生のほぼ全ての期間を通じて書き続け、自らライフワークと語る、シリーズ作品に「暗黒の塔」(The Dark Tower)シリーズと呼ばれる、一連の作品群があります。
 書き始めたのは、メジャー・デビューする、はるか前、まだ大学在籍中の1970年のことで、その後、実に、30年以上にわたって話は続き、本国アメリカでは、2003年から翌04年にかけて(ちょうど、キングが引退宣言をしてた頃)、一気に5巻~7巻をリリースして、完結に至りました。

 話の中心となるのは、世界の鍵を握る「暗黒の塔」を目指して旅を続ける、「ガンスリンガー」と呼ばれる、拳銃使いとその仲間達の冒険で、話のトーンは、中世ファンタジー風・・・でありながら、主役が拳銃使いなので、当然、西部劇のような要素も持った冒険談・・・だとばっかり思ってると、その世界は、遠い未来のようで、現代や未来文明の遺物もひしめき、さらには、主人公たちが時空を飛び越えて、我々が暮らす現代をはじめ、様々な世界を飛び回るようになって、もう、やりたい放題となっております。

 日本では現在、4巻までが角川書店からリリースされていたのですが、 どうやら、この11月末か12月辺りから、新潮社に移って、続刊がリリースされるようです(まだ、サイト内に詳しい情報は載ってないみたい)。
 なお、アメリカでは完結に合わせて、1~4巻も加筆されて、再発されたのですが、 今回の日本版も、その新版に合わせて、風間賢二氏の翻訳で、1巻から順次、発売していくらしいです(旧1、2巻は、池央耿氏が担当)。

 ついでに、アメリカでは、あのマーヴル・コミックによる、マンガ版が、 06年4月から、リリース決定。結構、期待できそげ。

「The Dark Tower」公式サイト:http://www.stephenking.com/DarkTower/

追記:
 あー、あー、8月に出た「回想のビュイック8」()は、まだ読んでません。つか、別に、過去のキング作品だって全部、読んでるワケではないのですが。

| | コメント (0) | トラックバック (0)